[再会/再開]の会話は
2015年11月07日 公開
「ねえおばさんの写真ないの写真」
日曜の朝っぱらから乗り込んできた彼女が屈託無く笑う。仕方なく、コルクボードにピンで刺した封筒からそれを取り出す。
「あたしも写ってるじゃん。しかもおばさんちっさ! こんな古いのじゃなくてさ」
ワザとおっきく溜め息ついて、写真を取り上げた。
「これ、おじさんがくれたんだよ。そっちの引越のあと、ウチ全部焼けちゃったからさ。その頃なら転送されたのに」
「え、まじで…」
「賞金半分損したね。ま、あの歳でそんなの、知ってるわけないけど」
「あはは…」
「だからスマホに家族写真とっとくといいよ」
「ハイ」
「あと本ありがとう。これも燃えたんだと思ってた」
泣いてるみたいな笑顔だ。きっとあたしも。
こちらの続きとなります。
ちょっと厚かましいけど機転が利く子と彼女を苦手に思いつつ振り回される子の
ライトなミステリーにはたどりつけそうにありませんから。
日曜の朝っぱらから乗り込んできた彼女が屈託無く笑う。仕方なく、コルクボードにピンで刺した封筒からそれを取り出す。
「あたしも写ってるじゃん。しかもおばさんちっさ! こんな古いのじゃなくてさ」
ワザとおっきく溜め息ついて、写真を取り上げた。
「これ、おじさんがくれたんだよ。そっちの引越のあと、ウチ全部焼けちゃったからさ。その頃なら転送されたのに」
「え、まじで…」
「賞金半分損したね。ま、あの歳でそんなの、知ってるわけないけど」
「あはは…」
「だからスマホに家族写真とっとくといいよ」
「ハイ」
「あと本ありがとう。これも燃えたんだと思ってた」
泣いてるみたいな笑顔だ。きっとあたしも。
こちらの続きとなります。
ちょっと厚かましいけど機転が利く子と彼女を苦手に思いつつ振り回される子の
ライトなミステリーにはたどりつけそうにありませんから。